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コインケース編集

カール事務器 コインケース CX-1000
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カール事務器 コインケース CX-1000 
テージー コインフリーアルバムB5S 台紙8枚 収納コイン枚数96枚 C-34
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テージー コインフリーアルバムB5S 台紙8枚 収納コイン枚数96枚 C-34 
携帯コインホルダー「コインホーム」 MG-01・02・03 MG-03・ブラック
__93400
携帯コインホルダー「コインホーム」 MG-01・02・03 MG-03・ブラック 
オープン工業 コインケース M-650
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オープン工業 コインケース M-650 
(グレンロイヤル) GLENROYAL 馬蹄型コインケース LEATHER BLACK [並行輸入品]
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「赤ん坊ならば洗濯機の中に隠れられる。……御承知のように紅司君は、癇症で自分の肌着はみんな自分で洗っていたというけど、それもきいてみると十月に入ってからで、あの鞭痕の秘密と関係があるのかも知れません。爺やはいつもそれを痛わしいことに思って、あの晩も死体の傍にひとり残ってから、泣きながら洗濯機に手を入れて、下着を取り出そうとした。そしたら……」 「そしたら、コンガラ童子でも隠れておったというのかね」  藍ちゃんは指を折るようにして、 「第一に動機がありゃしない。それに、もし紅兄さんと本当に瓜二つの男が犯人なら、どこか他の場所で殺して死体を隠し、自分が氷沼紅司になりすませばいいんで、何もお風呂場を舞台に危い芸当をすることはない。それともただ、背恰好だけ似た奴が犯人だとしても、紅兄さんが秘密にしている背中の鞭痕をそっくり同じにつけておくなんてことは不可能だし、あの時間に紅兄さんが風呂へ入ってるなんてことも判りゃしないだろう。何より爺やが、死体の入替えを黙って見てるもんか」 「ですけど、とにかくね」  じれったくなった久生がとどめをさした。 「鴻巣玄次という与太者が実は存在せず、紅司さんの背中の鞭痕は御自身のマゾヒズムのせいじゃなくて、替玉死体の特徴に合せて作ったものだという着想は着想で面白いけど、実現されるとなると、やっぱりあちこちに無理が出るようね。継ぎはぎだらけのボロ推理も、こうなるとお気の毒みたい」 「だってそれじゃ、爺やが哀しんでもいないのはどういうわけ? それに、鴻巣玄次って男がもし実在しているんなら、どうして一度も、うちのようすを探りにこないのさ」  藍ちゃんは照れかくしの半分のやけくそで、ウイスキーをストレートで|呷《あお》りつけながら反問したが、藤木田老は、さて真打の出番だというようにゆらりと体を起して坐り直すと、 「爺やは気の毒だが、分裂症の初期症状と思うほかないな。与太者のことはミイの話をきけば判る。……それにしても、諸君は呆れ返った怪奇幻想派だな。合理的な解決をつけるというのが今夜の建前のはずだったが」  皮肉にいって皆の顔を見回した。    19.ハムレットの死(藤木田老の推理) 「背後関係や動機の探求には、多少卓抜な意見も出たようだが、肝心の犯人がコンガラ童子だの、原爆で死んだ黄司だの、さては紅司君自身などと夢幻的なことをいい出すようではこれはまるで解決とはいえぬよ。いいかな、ミイの推理方法はごく簡単だが、これに限って間違いはない。あらゆる史上の名探偵が用いた消去法、つまり容疑者を洩れなくあげて、絶対に白の者だけを除いてゆく、あの手を用いればよいのじゃ。その除き方に誤りがなければ、残った者がすなわち真犯人だて」  久生は帯の間に垂れた|根付《ねつけ》の|珊瑚《さんご》をまさぐりながら、ぼんやりきいている。亜利夫はスラックスの皺ばかり気にしているし、藍ちゃんはウイスキーをのみすぎたせいか、耳たぶまで火照らせていかにも眠そうだ。藤木田老ひとりが得意満面で、取り出した葉巻を噛み噛み、H・Mのイミテーションよろしく、紅司殺しの犯人をあばきはじめた。 「さて、その容疑者だが、これはミス・ホームズの折角の調査は御苦労ながら、死人などに関係のあるわけはない。考えても見給え、今度の事件の犯人は、ひとつ、厳しい条件を充さねばならんのだ。つまり、あの晩あの時刻に、紅司君が風呂に入ったことを知っている者に限られるわけだろうが。まさか久生女史も、二十年も前から紅司君が、昭和二十九年十二月二十二日午後十時二十分に、風呂へ入るべく運命づけられていたなどとは考えんじゃろ? 黄司が電話をかけてきて密会したなぞという空想は、空想としてはユカイじゃが、なんら裏付けの証拠を具有しておらん。紅司君はあの時刻に風呂へ入った。白の部屋も水の部屋もない、ただの風呂じゃ。事実は厳粛にして平凡だが、しかしこの平凡な事実から逆に辿って、その事実を存知する者のみに容疑者を絞れば、指を折る必要もない少数の名が浮かぶはずだ。ましてそこから、約束に従ってわれわれ探偵と爺やの四人を除いてみたまえ、ホレもうそこに、犯人は笑って立っていようというものさ」
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